「待つ」ということの大切さをつたえたい

学生さんへ

学生さんと接すると「私が学生時代はどうだっただろう?」と考えさせられます。学生さんは1人の患者さまを深く看て、一生懸命援助を考えます。そんなひたむきな姿を見ることで、私自身が学生さんからたくさんのことを学ばせてもらいます。
私は、学生さんが療養病棟で「待つ」ということを学んでほしいと思っています。対人間のかかわりは、思い通りにならないことばかりです。だから病める人を対象とする看護の仕事はすべて「待つ」ということが大切でしょう。そんな中でも特に慢性期の高齢者へのかかわりは待つことが強く求められます。看護師の援助が押し付けになってはいけないこと、訴えがなくても、待ちの姿勢で患者さまを看て、変化に気づくことが必要だということに気づける実習になってほしいと願っています。

後輩に伝えたいこと

私が3年目の看護師のころ、40代の肺がんの患者さまに出会いました。その患者さまは頭にも転移があり、告知もされている方であり、余命を宣告されている相手へのかかわりは、すべての看護師にとって気が重いものでした。患者さまの辛い思いを察すると、私も辛くなってしまい、どんな顔で援助をすればよいのかわからなくなっていたとき、患者さまが「私は残りの時間を笑っていたい」と言われたのです。「苦しいときこそ笑っていたい。看護師さんの笑顔に私は救われるんです」という患者さまの言葉を聴いて「苦しいのは患者さまであり、だからこそ看護師はにこやかに対応しないといけないんだ」と学びました。それから私は、患者さまへの対応は笑顔で行うことにこだわっています。

そうはいうものの、忙しくて時間に追われると笑顔を忘れそうになります。ただ、最近特に思うのは、患者さまは看護師の映し鏡だということです。看護師がイライラしていると、患者さまの問題行動も目立ちます。看護師が落ちついていると、患者さまも穏やかなのです。だから忙しくてイライラしたときは、私が落ち着かないから仕事が増えるのでは?と振り返ろうと思っています。

私たちが目の前にしている患者さまは、残りの人生がわずかな方ばかりです。だから穏やかに対応し、安らかな人生を送れるように、生活を整える看護を提供していきたいといます。

看護師長 松永真奈美

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